[COLUMN] Bridge Note

2023/07/07

簡単?面倒?  How to オイルメンテナンス!

こんにちは、宮地です。

お風呂場を掃除しました。
カビキラーを使いました。
お風呂の壁に付いた黒いアレや
椅子の裏側に付いたピンクのアレが
全部まっしろ、綺麗になりました。
感動のあまり言葉を失いました私。
まるで自分が魔法使いにでもなったかのようで。

効果のほどはもちろん分かっていたのですが、
改めて現実を目の当たりにすると・・・。
ダメですね、とても正気じゃあいられない。
あの快感は皆様もそうでしょう?
病みつきになりますよね、もう止められない。
そしてそのままキッチン周りも掃除したりなんかして。
気まぐれで変なスイッチが入り暴走する、みたいな。

大掃除中に気づいたら漫画読んじゃってる
アレの完全に逆パターンです。
どちらも割とあるあるだと思いますが、どうですか?



さて、そんな綺麗好き(?)な宮地が今回紹介するのは
オイル塗装の家具のメンテナンスについて。

カビキラー程ではないですが、
案外簡単・手軽に家具のメンテナンスは可能です。
そしてある意味ではカビキラー以上に感動するほど
綺麗に仕上げることができるので、
このブログを読んだ方で、
無垢材オイル仕上げのテーブルをお持ちの方は、
一度騙されたと思ってやってみてください。
飛ぶぞ、とまでは言いませんが、
少しはかかとが浮くかもしれません。



実は、以前のコラムで
オイルメンテナンスについて簡単にまとめた記事を
別のスタッフが書いてくれていました。

そこでは、
「詳しいことはそのうち別のコラムで・・・」的なことが
書いていたので、「じゃあ今書いちゃおう!!」と
こうして筆(?)を取っている次第です。

さて、本題に入る前に・・・、
オイルメンテナンスとはなんぞや?
という方もいるかと思います。
以前のコラムで関連する記事をまとめておりますので
よろしければ一度ご覧ください。
リンク貼っておきます。

「何度でも甦る」木材のメンテナンス
木材編①「無垢材と突板」
木材編②「天然木の構造」
木材編③「表面塗装の種類について」

「他の記事も読め?そんなの面倒だ!」という方の為に
簡単に前説をしておきます。

「オイルメンテナンス」とは・・・
木材の状態を良好に保つ為に定期的にオイルを
浸透させて潤いを保つ作業。

汚れや傷がある場合はヤスリで削ることで除去してから
オイルを塗る、やり方次第では新品同様の状態にまで
持っていける魔法のようなメンテナンス方法である!


お肌のケアで例えて言えば、洗顔~化粧水(など)までの
作業のようなもの。とお考えください。

外から帰ってきて、いきなり化粧水塗らないですよね?
まず洗顔・クレンジングなどでお化粧や皮脂汚れなどを
落としてから塗らないと、化粧水も当然染み込みません。
それと同じです。(わかりやすい!)


さて、これからはメンテナンスの方法について
まとめていきます。

まずは準備する物を揃えましょう。
大抵の物はホームセンターで揃います。

これからお伝えすることは、
ダイニングテーブルを基準とした内容となります。
当然他の木製の家具や雑貨・小物などでも共通しますが
用意するものの種類や量はメンテナンスの重要度の高い
テーブルを軸にしていますのでご了承ください。



用意するもの



・紙ヤスリ (#240~400程度)
番号によって粗さが違うので注意が必要です。
番号が若い方が粗い(削る力が強い)のですが、
家具向けなのは#400くらいがスタンダードです。
傷や染みが深い場合は、一旦#240くらいのヤスリで
様子を見て、徐々に番号を上げてみてください。
爪磨きと同じで、徐々に細かい目で削ると
より綺麗に仕上がります。
A4サイズくらいのが2~3枚ずつあれば十分です。

・ハサミ(ヤスリを切る用)
大きな紙やすりはそのままでは非常に使いづらいので
必要なサイズに切って使います。ただし・・・
紙ヤスリをハサミで切ると確実に刃こぼれを起こすので
捨てても良いような古いハサミを使う方が良いです。



・当て木(または専用の器具)
ヤスリを手で持ってそのまま削ると、どうしても
手の形に沿った丸い削り方になるので、
目で見えにくいレベルですがデコボコします。
それを防ぐ為に、何か固くてまっすぐな木などにヤスリを
巻き付けるか、専用の器具(画像)をご準備ください。
ホームセンターで1000~3000円くらいです。



・ウエス(オイル塗布用の布)
基本的に綿100%であれば何でもOKです。
いらなくなったTシャツの端切れでも良し。です。
白系の生地が好ましいですが、濃い色は避けた方が良いです。
タオル地は引っ掛けてしまう恐れがあるので避けましょう。

一応ホームセンターでも専用のウエス(画像)が売っています。
売っていますが、大きいのが100枚入り、みたいな売り方で
きっと持て余します。手近な物で間に合わせましょう。
これもA4サイズくらいのが3~4枚あれば十分です。
木屑を拭き取る作業もあるので、多めにあればなお良しです。



・木製家具専用オイル
オイルと一言で言っても、その質はピンキリです。
有害物質(ホルムアルデヒド等)の含有率が違います。
含有率は星☆☆☆☆までで表記されており、
最も安全なのは、☆☆☆☆(フォースター)です。
ホームセンターで売っている物は多くが☆☆☆☆☆で、
確かに安いのですが、石油由来だったりもしますし。
あまりオススメはしたくないですね。
特にダイニングは食べ物と関わるので☆☆☆☆必須です。

当店でご用意しているオイル(画像)はもちろん☆☆☆☆で、
しかも椿油や亜麻仁油などの自然由来のものを
主成分としていますので、なんと赤ちゃんが
直接舐めても大丈夫なレベルになっています。
(さすがにゴクゴク飲んじゃだめですよ)
50ccの小瓶が2本で1セットと、ちょうど良い量です。

塗る量としては、テーブルのサイズにもよりますが、
普段のメンテナンスであれば1回あたり
20~30ccもあれば十分。ただし、何年もメンテナンスを
していない場合、沢山のオイルが天板から抜けているので、
オイルを失った分天板が沢山オイルを吸います。
その場合は50~100ccくらいは欲しいところですね。
とはいえ、オイルも酸化して劣化していきますので、
あまり大きすぎる物を買うと勿体無いです。
年に50cc使えば必要十分なので、大きな缶の物でなく
小瓶タイプがおすすめです。

たまにネットで「オリーブオイルでもOK」など中々怖い
記事が存在していますが、食用の油と家具用のオイルは
そもそもの特性が全く違いますので、食用油は当然NGです。
ガソリンが無いからって、車にサラダ油入れませんよね?
それと同じだと思えば、ご納得いただけるかと。
全く乾きませんしテーブルがベットベトになるだけなので、
必ず家具専用のオイルを使用してください。


・床に敷くマットorシート(任意)

削った木屑は床、テーブル周辺によく落ちるので
ブルーシートなど、何か敷くものがあっても良いですね。
あえて何も敷かず、作業の後に掃除機で
掃除してしまうのも一つの考え方です。



用意する物は以上です。



続きまして、メンテナンスの手順をお伝えします。

①表面の汚れを拭き取る
まずは天板表面に付着した埃や食べカスなどのゴミを
取り除きます。普段拭き掃除に使っている布巾で
良いので、綺麗に乾拭きしましょう。

②ヤスリで削る
ヤスリを必要な大きさに切り分けて削ります。
(器具を使う場合はそれに準じた大きさに切りましょう)
削る方向は、木目に沿った方向に削りましょう。
必要以上に力まずに、軽く体重をかける程度でOKです。
天板に傷や染みがある場合は、
それが目で見て気にならなくなるまで削るか、もしも
愛着が湧いたのなら、敢えて残しておくのも良いでしょう。
傷によっては修復が困難な物もあるので、番号を落として
削っても変化が見られないなら、それは相当深い傷。
やり過ぎると天板の見た目が変わりますので、
気の毒ですが諦めた方が良い場合もあります。

傷がない場合は、天板の色が全体的に薄くなる
(オイルを塗る前の白木の状態)まで削ればOK。
削らずにオイルを塗り足すだけでも大きな問題はないですが、
天板に塗られたオイルも古くなります。体の垢と一緒です。
できれば削ってあげて新しいオイルを染み込ませましょう。

③余分な木屑を拭き取る
粉状の木屑は、オイルを塗る時の妨げになるので
可能な限り拭き取りましょう。基本は乾拭き推奨ですが
多少であれば固く絞って水拭きをして、再度乾拭きでOK。
余裕があれば時間をおいて水分を飛ばしてから
オイルを塗りましょう。


④オイルを塗る
ウエスにオイルを少しずつ含ませながら塗ります。
※オイルはよく振ってから使いましょう。
天板に直接オイルを垂らすのは厳禁です。
天板の一部にだけ大量のオイルが染み込んでしまい
仕上がりにムラができてしまいますし、
ほぼ間違いなくオイルを無駄に消費してしまいます。

オイルを塗る際も、基本は木目に沿って塗ってください。
時折いろんな角度から天板を眺めて、塗りムラがないか
確認しながら塗っていきましょう。
案外塗りムラは多くなりがちですので、要注意です。
ある程度塗り込んだら、新しいウエスで乾拭きして
余分なオイルをウエスに吸わせましょう。
※オイルを吸ったウエスは、必ず水に濡らしてから捨てましょう。
そのまま捨てると自然発火を起こすことがあり大変危険です。


⑤乾燥
塗り終わったら、半日から丸1日放置して乾燥させます。
湿度や温度によって乾燥のスピードは変わりますので、
時折様子を見ながらテーブルを使うようにしましょう。
タイミングとしては、夕食後の寝る前がおすすめです。
寝てる間に乾燥が進んでいるため効率が良いです。
もしくは、お出かけ前にメンテして、外食して帰るか。

オイルを塗りたての状態でテーブルに触るのは厳禁です。
せっかくメンテナンスした天板に指紋がクッキリ残ります。
自分の指紋を眺めながら食事をするハメになります。

⑥確認
十分に乾燥させたら、素手で天板を触ってみてください。
さらさらなめらかな手触りなら大成功です。
ザラザラしていれば、削った部分が毛羽立っているので、
番号の大きな紙やすり(#400~600)で軽ーく撫でるように
当ててみましょう、さらさらになればOK、
オイルの塗り足しも必要ありませんが、削りすぎた場合は
薄くでいいのでもう一度塗り直してください。
ベトベトしていたり、少し粘着感がある場合は、
オイルの塗りすぎなので、新品のウエスで乾拭きをするか
それでも改善されない場合は削り直しもありえます・・・。


これで、メンテナンスは完了です。

不安な方は、一度当店にご相談ください。
詳しくご説明いたします。

また、
当店でテーブルをご購入いただいたお客様※に限り、
初回無料にてメンテナンスにお伺いし、
実践しながら詳しいやり方をご説明いたします。

※一部テーブル以外の家具も対象となる場合があります。
詳しくはお問い合わせください。

※関西圏内の一部地域のお客様に限ります。
無料エリアについてはお問い合わせください。
※無料エリア外、または2回目以降は有料となります。(要見積)



今回はこれで以上でございます。

やってみると案外簡単なので、食わず嫌い(?)の方は
一度やってみてください。当店の歴代スタッフも
皆経験していますが、男女関わらず「慣れれば余裕」と
申しておりました。ただ、感覚には個人差がありますので
あまり無理せずご自身のペースでメンテナンスを
してあげてくださいね。


それでは、また。

BRIDGE WORKS 宮地 康行
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