[COLUMN] Bridge Note

2025/01/09

-SHAKER- 自給自足生活が生み出した、"機能美"という魅力

こんにちは、宮地です。

年が明け、早いもので1週間が経ちました。
日の出の時間もどんどん遅くなり、早朝6時の出勤時も
真夜中と同じくらい真っ暗になりました。
年末はもう少し明るかったんやけどなぁ。。。

今週は特に寒く、天気予報では
私の住む地域の明日の最低気温はなんと − 5℃。
それも小高い山の麓なので自宅付近はさらに寒い。
さらにさらに、今日は全国的に大雪の危険性もあるそうで。
皆様、特に日本海側にお住まいの方はご注意ください。

冬の早朝は路面凍結が心配ですが、なんとか転けずに
モンキーちゃん、毎日頑張ってます。

そういえば、
モンキーちゃんが納車されてから一度も転けてないな。
走行距離もそろそろ2万kmですが傷一つありません。
軽いから扱いやすいんですよね。

実際、大きいバイクだと確実に転けてたな、
という場面は何度かありました。
咄嗟に足が付く、というのは何においても安心材料です。

今年、狙っている大きいバイクに乗り換えたら
より一層気を引き締めなくちゃな。

35歳越えたら体力は衰える一方だそうですから・・・。




さて、本題に入ります。
今回は広松木工より「シェーカー」というシリーズを
紹介いたします。昨年開催した「広松木工展」にて
同時開催したワークショップでも紹介いたしましたが、
今回はより深くしっかり掘り下げようと思います。
 

※価格は、2025年1月現在の税込価格です。
※展示は予告なく変更する場合があります。




シェーカースツール(画像右)
W455 D350 H470 SH430 (mm) ¥35,200
シェーカーキッズチェア (画像左)
W380 D330 H420 SH265(mm) ¥28,600
素材:ビーチ無垢材、アクリルテープ




シェーカーシリーズは当店ではスツールとキッズチェアと
一部の雑貨類のみの展示ですが、
広松木工ではチェアやベンチなども展開されています。

特徴としては、やはりかわいい、そして軽い。
圧倒的に軽いです。片手の小指でもラクラク持ち上がる位。
軽いので家の中のどこにでも持って行って使えますので
意外と便利です。補助椅子としても大活躍してくれますよ。

でもでも、しっかり強度はあります。というのもこの座面、



アクリル製のテープを縦横交互に編み込んでいるのですが、
このテープに体重などの負荷が掛かると
テープたちがそれぞれ「ギュッ」と引っ張りあって
フレームの強度を底上げしてくれるのです。

経年変化でフレーム、もしくはテープが多少緩んでも、
座った時にテープの張力によってフレーム強度が増す、
という仕組みになっているので
安心して座ることができる、という訳ですね。

広松木工曰く、
たとえテープが切れたりほつれたりしたとしても
バラバラになる事はなく、座ることで張力が働き
やはり安定するそうです。それはすごい。

いざという時のテープ張替もとても簡単。
前にも書きましたが、広松木工展のワークショップで
スツールを作りました。画像のスツールは私の作品です。
慣れない手つきでも所要時間1時間弱くらい。意外と簡単。
自分で作ったから愛着も湧くというものです。

椅子本体を預けていただければ、ソファの張替よりも
圧倒的に安価で交換可能です。(要見積)


なんて機能的なんでしょう。
誤解を恐れずに言うのであれば、
一見シンプルでチープな印象を持たれそうですが、
その実はしっかりと考え抜かれた
とても良くできた逸品なのです。




テープのカラーバリエーションはとても豊富。
8色のテープから縦と横で2色まで組み合わせられるので
全部で36通りの組み合わせからお選びいただけます。

せっかくなら違う2色で、と思う所ですが、
同色は同色でなかなか良い味が出ておすすめです。



さて、この「シェーカー」というシリーズですが、
名前の由来は「シェーカー教」というキリスト教の
一つの宗派の思想から来ているそうで。

この「シェーカー教」という思想は18世紀中頃
イギリスで生まれたあと、なんやかんやあってアメリカに移り、
20世紀初めまで栄えたそうです。

シェーカー教徒とは、ざっっっっくりと言うと、
自給自足の生活の中に、常に機能性と独創性を取り入れた
生活をしていた宗教集団で、機械はおろか電気もない時代に
水の循環機構などを駆使し効率化を図った農業や
車輪の回転を動力とする洗濯機の考案なども行なっていたと
される、非常にクリエイティブな集団なのです。

思想自体は割と過激だったりしたそうですが、
彼らの生活から生まれた、無駄が無く機能性に富んだ設計の
家具や道具などは「シェーカースタイル」と呼ばれ、
シェーカー教が衰退した現代でも多くのアメリカ人の
ライフスタイルに影響を与えています。

掘り下げると言っておきながら、これ以上掘り下げるとなると
ちょっとした論文になりそうなので割愛します。(許して)




広松木工「シェーカー」のトレイとボックス。
これもシェーカースタイルの道具のひとつ。
似ていますが「曲げわっぱ」とは別物です。(お弁当箱じゃないよ)



広松木工が作るこの「シェーカー」シリーズも
当然このシェーカースタイルから着想を得ているので
あからさまな装飾は敢えて省き、無駄のない、それでいて
しっかりと機能的なデザイン、いわゆる「機能美」を
強く感じる、そんな商品になっています。

「不必要なものをそぎ落とすという事は、
その構造を支えるための細部の仕事こそが重要。」

広松木工のホームページから引用したこの言葉、
これこそがシェーカースタイルの本質だと感じました。


装飾やデザインも大事で素敵ですが、見る角度を変えると
たとえ安くても見た目で誤魔化せてしまいます。
百円均一などの格安ショップでも実際にありますよね。

もちろん、それが悪いと言いたいのではありません。
そこまで重要でないもの(=お金をかけたくないもの)
だけど、どうせならせめて見た目の良いものを選びたい。
と誰もが思うものですし、もちろん私だってそうです。
○イソー、3COI○S、いつもお世話になっております。

今回は真逆の発想、安くはない商品で
シンプルな構造、シンプルなデザインの場合。
シンプルであればあるほど、誤魔化しができなくなります。
肝心なところが浮き彫りになるんです。

シンプルなデザインで2千円の椅子なら、
仮に数ヶ月で壊れても「でしょうね」と納得できますが、
全く同じデザインで10万円する椅子ならどうでしょう?
よほど良い座り心地、かつ頑丈でないと納得できません。

広松木工の家具も全体的にデザインはシンプルです。
少なくとも誇張するような無駄な装飾はありません。
シェーカーシリーズは、そんな広松木工の家具の中でも
これ以上ないというレベルでシンプル。

ですが、座り心地も良いですし、耐久性も申し分ない、
メンテナンス性も良い、しかもかわいい、となれば
この金額(スツールで¥35,200)も納得、というもの。

一般的なダイニングチェアから見ても
決して安い金額ではありませんが、
「シンプルな見た目だけど良い物が欲しい」
と思っている方々には十分刺さるアイテムだと思います。



今回はこれで以上です。

シンプル=単純、安価、低品質
という固定概念も、現代では割と薄れてきて
シンプルでも良いものは良い、とされて来ていますね。
シェーカーもその一つ。しっかりと考え抜かれたその
機能美に共感いただければ、自ずとこの商品の魅力も
十分伝わると信じています。
今回めっちゃ「シンプル」連発してるな


是非座りに来てみてください。
座り心地もとても良いですよ。


それでは、また。

BRIDGE WORKS 宮地 康行
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