[COLUMN] Bridge Note

2023/06/16

素材の話 -木材編②- 「天然木の構造」

こんにちは、宮地です。

最近、久しぶりに音楽を聴くようになりました。
学生時代はひたすら音楽に明け暮れておりましたので、
バンド活動(ライブ)したり、逆にライブを観に行ったり、
一人でスタジオに入り浸ってドラムを叩きまくったり
まさに音楽漬けの日々でした。

社会人になり、趣味が徐々にコーヒーやウィスキーに変わり
気がつけば一人で居ても音楽を聴く事はなくなりました。

学生時代から使い込んでいたウォークマンも、
久々に見てみると画面の液晶が漏れていてベトベト、
まさに「壊れかけのれでぃお」状態。
そんな状態でも中身は無事だったようで
久しぶりに懐かしのメロディに耳を傾けてみました。

学生時代の青春といえば、私の世代はドンピシャの
Hi-standardやACIDMANにBUMP OF CHICKEN、
不老不死かと疑う美声と変態的な歌詞に超絶技巧という
3拍子(?)がそろったSPITZ(もはや神です)
ロックンロールといえばアジカン。などなど。

挙げればキリがないですが、学生時代の私が
舞い上がっていたアーティストだらけで久々に
テンションが上がってしまいました。

最新の音楽は逆になんっっっっにも分かりませんが、
これを機に少し音楽の幅を広げてみようか
と思うアラフォー手前の宮地でした。
手始めに、米津玄師さんの"Lemon"から聴いています。

さて、前回に引き続き今回は木の構造について。
まずは、天然木特有の表情や構造についてお話しします。

説明用に、簡単にイラストを作りましたので、
これを見ながら読んでいただければ
少しはご理解の助けになるかと・・・。
※自作のためクオリティの低さご容赦ください・・・。

木は成長していくほどに長くなり、太くなります。
それが形として現れるのが、いわゆる「年輪」です。
丸太にするとバウムクーヘンみたいに見えるアレですね。
その丸太を縦に割って板にした時に見える
緩やかで綺麗な線がいわゆる「木目」となります。
つまり、「年輪」≒「木目」ということになります。

そして、木には当然「枝」がたくさんありますよね。
丸太にする際にこの枝を全て切除するのですが、
切除した枝の根元、その余った部分を「節」と言います。
枝をしっかりと支えるために、幹の内側の深い所まで
節が入り込むので、木材としてある程度切り出しても
節は残り、我々が使う天板にも度々登場します。
「節」=「枝の根元の一部」ということになりますね。
枝が細ければ節も小さく、太ければ節も大きくなります。

アニメやドラマかなんかで、たまに太い木の枝に
ブランコをくくりつけて遊んでいるシーンがありますが、
そんな太い枝の節ともなると、それはそれは
とんでもない大きさの節になるでしょうね。

画像中央にいくつかある大きな円形の模様。これが節です。
節は他の部位と違って硬さが異なるので、加工がしづらいそうです。


少し昔までは、徹底してこの「節」を不良箇所として
避けてきた風潮がありますが、近年では、その節こそが
木の自然たる象徴として、むしろ好まれる傾向が
増えてきており、当店でも積極的に節あり材を
採用しております。

木材の高騰により、採れる樹木の数や成長度合いが
縮小していることによって、節を避ける余裕がない
という情勢による部分も大いにあります。

木が少ない上に、ようやく採れた木自体も細く低い。
でも、枝は変わらず沢山生えている。ともなれば、
一本の木全体から見た節の密度が増えることになるので、
節を除こうとすると必要充分な大きさの板が採りにくい。
ということです。

そのため、節を避けたい、と感じられる方は、
そういった素材の入手にはそれなりのコストがかかる
という事も頭の片隅に入れていただけると幸いです。

「節」に関してはハッキリと好みが分かれるところですね。
ちなみに私は節や割れなどは存分に入って欲しい派です。

天板も可能な限り大きく厚く、ワイルドな物に憧れます。
どちらがより良い、という訳では無いんですけどね。
では、次の話に移ります。


木材には「辺材」と「芯材」という部位があります。
「辺材」とは、木材の皮を剥いたあとの一番外側の部分、
いわゆる「耳」と我々が呼ぶ部分となります。
「芯材」とは、木材の芯となる部分、つまり、
「耳」以外の主要な木材となる部分ですね。

木の種類によっては辺材と芯材で色の違いが
発生することがあり、ウォルナット を例に挙げると
辺材が白っぽく、芯材は赤茶色っぽく、
というように、はっきりと分かれています。
辺材と芯材のちょうど境目の部分が成長分岐点となるため
このような木目の差が生まれる、というわけですね。

それでは、ここで辺材(耳)を使った家具の一例を
ご紹介すると共に、ちゃっかり商品の宣伝をば。

耳付きローテーブル  ウォルナット 耳付き材 オイル仕上げ
W1400 × D505+α × H300  (mm)


当店の耳付き天板は、まさにこの辺材と芯材の
コントラストを楽しんでもらう天板です。

画像のテーブルは、継ぎ接ぎを一切していない
分厚い片耳の一枚板を2枚、本の見開きのように並べて
テーブルにしています。

厚さは45mmと結構厚めの贅沢な木材を使用。
一般的な天板の2倍近い厚みがあります。
厚みが倍、ということは、表面積は同じ天板でも
体積は倍なので、単純計算で天板の金額も2倍になります。
ちなみに、こちらのテーブルの価格は、このブログを
書いている2023年6月現在で¥231,000(税込)。
この厚みの天板、しかも、小さいとは言え
一枚板を2枚使用してのこのお値段は、
正直に申し上げて非常にお値打ち価格だと思います。

サイズオーダーもお受けしてますので、
もう少し小さくしたい、というオーダーも
むしろ2mを超える大きなダイニングテーブルにしたい、
というオーダーも、何でもお気軽にご相談ください。



さて、今回はここまで。
次回は木材編の最後。
天然木が持つ性質や塗装の種類などに
触れていきたいと思います。

次回をお楽しみに!


それでは、また。

BRIDGE WORKS 宮地 康行
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